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ベリーズ南部視察<第3章> ルバアントゥン遺跡
ルバアントゥン遺跡は、ニムリプニット遺跡をさらに南下し、更にサウザン・ハイウェイから30分ほど悪路を入っていったところにあります。この遺跡は、『インディージョーンズ クリスタルスカルの冒険』でもそのモチーフとなっている水晶の髑髏が発見された「とされる」遺跡で、一躍有名になりました。
事の真意はさておき、ニムリプニット同様すばらしい遺跡ですのでご紹介したいと思います。
営業日 :年中無休
営業時間:8:00 ~ 17:00(入場は30分前まで)
入場料 :外国人 10.00 BZD(5USD)
ルバアントゥン遺跡(Lubaantun)
ルバアントゥン遺跡は、ベリーズ南部トレド県にあるマヤ文明古典期(紀元後250年~900年)の遺跡で、730年から890年の比較的短い期間に栄えた都市国家です。この時期のマヤの遺跡は、一般的には石灰岩を積み上げモルタルで仕上げる建築様式が多いのですが、この遺跡は少し特殊でモルタルは用いず、主に黒い板状の岩を積み上げた建造物となっています。建造物上部の構造物は、石積みではなく木材などの腐りやすい材料で造られていたため、残っていません。いくつかの建造物の四方は角がなく美しい曲線を描いており、当時の建築技術の高さを伺いすることができます。
「ルバアントゥン Lubaantun」とは現在のマヤ語で「落石の場所」を意味しますが、これは1924年にこの遺跡の調査を行っていた英国人トーマス・ギャン(Thomas Gann)博士後によってつけられた名前で、当時の名称は判っていません。
この遺跡が一躍有名になったのは、アンナ・ヘッジスがクリスタル・スカル(水晶の髑髏)を1927年にこの遺跡で発見したと後に報告されたからです。ただ、現在ではその報告は虚偽だったと考えられています。
とはいっても、この遺跡からは陶器をはじめ多くの出土品が発見されており、現在その多くは大英博物館が所蔵しています。
ここのビジターセンターには併設博物館はないため、入り口でチケットを買ったら、さっそく遺跡へと足を進めます。そして最初に出てくるのが大広場(5号広場)です。
上述の通り、上部構造物は木材などを使って作られていたため、高い建造物は現存していませんが、基壇部分はきれいに残されています。また、この広場の西と東の両方に球戯場があります。
広場を抜けてさらに奥に歩を進めると一段高くなったところに少し狭い4号広場と角の曲線が美しい12号建造物が目に入ります。
左手に一番大きな構造物である12号建造物とその隣の10号建造物を見ながら更に南へと進むと、徐々に敷地は狭くなっていき、何段か下がったところに小さな3号広場が現れます。そして、その奥には大球戯場(4号建造物)が現れます。
南側の大球戯場を含め3つも球戯場があり、多くの建造物の基壇が残されているルバアントゥン遺跡。なかなか見ごたえのある遺跡です。
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