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ベリーズ北部視察<前編> 翠色の街コロザル
先日、ベリーズ北部の視察に行ってきました。2回に分けて報告をしたいと思います。前編では北部の街コロザルのみどころをご紹介します。近年、メキシコのチェトマルからベリーズにアクセスするお客様が多いので、ぜひその間に訪れる街として、コロザルの観光も検討していただければと思います。
ベリーズと聞くと、美しいエメラルドグリーンのカリブ海を想像すると思います。しかし、ベリーズシティから見える海はその色とはかけ離れており、沖合のサンゴ礁の島に行かないとイメージ通りの海を見ることができません。
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ベリーズシティの海も綺麗ですが普通の色です
しかし、メキシコ北部から陸路でベリーズにアクセスすると、最初に見る海がコロザルの街から見る海となりイメージ通りの翠色の美しい海となります。
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コロザル湾の美しい翠色の海
コロザルはまさにベリーズのイメージ通りの海が見れる街で、まさに今後ベリーズのゲートシティとしておススメの街です。
みどころ1 市庁舎
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コロザル市庁舎
コロザルの街もその美しさに誇りを持っているようで、市内の見どころの一つが海の色とおなじ色鮮やかなエメラルドグリーンに彩られた市庁舎です。この市庁舎は1952年に建てられたコンクリート製の現代建築です。建築からわずか3年後の1955年に、コロザルはカテゴリー5のハリケーン・ジャネットに襲われますが、この建物に逃げ込んだ300人もの住民の命を救いました。
建物の内部には、コロザルの歴史と発展が描かれた美しい壁画があります。この街の芸術家マヌエル・ビラモア(Manuel Villamor)によって1953年に最初に描かれた後、50年後の2003年に彼自身の手によって修復が開始され、彼が84歳になった2012年に修復が無事終わりました。
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コロザル市庁舎内の壁画
みどころ2 中央公園
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コロザル中央公園
市庁舎の前にあるのが中央公園です。この町が建設された1848年当初から人々が集う憩いの場所でした。公園には噴水と時計棟があり、以前は市庁舎と同じエメラルドグリーンと白色に塗られていましたが、近年、よりカラフルになったようです。
みどころ3 バーリー要塞
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バーリー要塞
中央広場の北西側にはバーリー要塞跡があります。1847年に始まったユカタン・カースト戦争の影響を受けて1870年代によって建設された要塞で、銃口を備えた赤レンガの櫓と木製の柵からなる要塞で、四方の櫓のみ現存しています。この赤れんがはベリーズシティのセント・ジョーンズ教会同様、マホガニーやロッグウッドの輸送船がイギリスから来航する際にバラストとして積んできたものです。
みどころ4 聖フランシスコ・ザビエル カトリック教会
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聖フランシスコ・ザビエル カトリック教会
中央広場の南東側にあるのが、聖フランシスコ・ザビエル カトリック教会です。カトリック教会ですが市庁舎とともに市内にある数少ないコンクリート製のモダンな現代建築です。
みどころ5 公共市場跡(現:文化センター)
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公共市場跡(現:文化センター)
1885年に建設され、この町の商業的・社会的中心地として約1世紀にわたり公共市場として使用された鉄骨造りの建物が海沿いにあります。当時、この町の4大富豪(スコフィールド家、リバーオール家、ロメロ家、ロサド家)は、最高級の肉を購入するという特権を持っており、その後、政府職員などの中流階級が続き、残りの町民は残ったものを購入することができたようです。現在は文化センターとして利用されています。
みどころ6 ハー・マジェスティーズ刑務所跡
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ハー・マジェスティーズ刑務所跡
公共市場跡(現:文化センター)の近くにはハー・マジェスティーズ刑務所跡があります。1870年代初頭に建設された刑務所で、ビクトリア女王の長い治世中に建設されたため「ハー・マジェスティーズ=女王陛下」という名前がついています。壊滅的な被害をもたらした1955年のハリケーン・ジャネットを耐えましたが、その後の街の再建に伴い刑務所とのして役割を終えました。現在は幼稚園として利用されています。建物の歴史もさることながら、壁面の美しいグラフティも一見の価値があります。
みどころ7 スコフィールド邸
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スコフィールド邸
スコフィールド邸は、ベリーズ北部の森林にマホガニーが生い茂りこの地に富をもたらしていた1880年代初頭に建設され、1955年のハリケーン・ジャネットを含む多くのハリケーンを生き延びた歴史的建造物で、爽やかな海風を家の中に取り込むために多くの窓があるのが特徴です。
みどころ8 サンタ・リタ遺跡
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サンタ・リタ遺跡
街中の文化的なみどころも、なかなか見ごたえがありますが、この町の近くには規模は小さいながらも貴重なマヤ遺跡が2つあります。その一つがサンタ・リタ遺跡です。
サンタ・リタ遺跡は、先古典期中期のB.C. 300年から古典期にかけて栄えた都市国家で、発見された埋葬のひとつからは翡翠の仮面を含む豪華な副葬品(ベリーズ博物館に展示)が見つかっており、古典期前期のサンタ・リタの貴族を葬ったものと考えられています。
古典期末のマヤ文明の衰退に伴って都市国家としては放棄されたようですが、街はそのまま残り続け、後古典期にかけて再び栄え都市化していったため現存するのは建造物一つだけですが、内部はマヤアーチと呼ばれる天井や入口、通路などが複雑に組み合わさっています。街からすぐ(車で5分)のところにあるので足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
みどころ9 セーロス遺跡
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セロス遺跡建造物5号
最後にトゥルム遺跡を彷彿とさせるセーロス遺跡をご紹介します。セーロス遺跡はコロザル湾を挟んで街の対岸にある遺跡で、ボートをチャーターすれば街からエメラルドグリーンの湾を横切って15分で到着します。車で行く場合は途中、艀で川を渡るため時間が左右されますが、概ね1時間程度でつくことができます。遺跡には乾季でも蚊が多くいるので虫対策は必須です。
セーロス遺跡は、紀元前400年から紀元前100年までのごく短い時代に栄えた都市国家です。内陸の未発掘の遺跡を含めて遺跡全体は水路で囲われており、海上交易の重要な拠点であったと考えられています。
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セーロス遺跡 建造物5号壁面の仮面
建造物5号には東西に大きな仮面の装飾がほどこされており、東側下部は朝陽を、西側下部は夕陽。さらに東側上部は明けの明星、西側上部は宵の明星を現しています。この建造物5号を建設した初代王の墓は、向かいの建造物6号から翡翠の副葬品とともに発見されていますが、この建物は現在保存のために埋め戻されています。また建造物6号の隣には第二代王が建設した建造物4号があり、その高さは21mあります。
結構外せないみどころが数多くある翠色の街コロザル。ぜひこの街で脚を止め、1泊してみてはいかがでしょうか。翌日、陸路でベリーズシティに向かうことも、航路でサンペドロに向かうことも可能です。
次回は、ベリーズの原風景の残る村サルティネーハをご紹介します。
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